中国の情報部員、スパイ容疑で米国に身柄を引き渡される

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 2018.11.14  Japanブログ編集部

中国の情報部員が、ある米国企業に対する産業スパイの容疑で米国に身柄を引き渡されました。

米国政府は10月10日、オハイオ州南部地区の大陪審がYanjun Xu(別名Qu Hui、Zhang Hui)を起訴したと発表しました。Xu被告は米国の航空宇宙企業に対する産業スパイ活動を行い、企業秘密を盗もうとした容疑で起訴されました。同被告は4月1日にベルギー当局により拘束され、その後米国に引き渡されました。その翌日、この件について発表がありました。

国家安全保安局の司法次官補John C. Demers氏は、この発表で「この事件は中国の経済力に関する知見を提供している」とコメントしています。米国司法省による声明には次のように書かれています。

この起訴状によると、中国の諜報担当者が、航空宇宙産業を率いる米国の企業から企業秘密やその他の機密情報を盗もうとした。これは単独の事件ではなく、米国を犠牲にして中国を発展させようとする広範な経済政策の一環である。我々の軍事力や頭脳の成果を盗む国家を我々は許すことはできない。種もまかずに収穫だけしようとする国家を許すことはできない。

司法省は、Xu被告が対外諜報と政治安全を担当する中国の安全保障情報機関である「国家安全部(MSS)」の捜査官であることを確認しました。MSS江蘇省の国家安全省第六處副處長であるXu被告は、米国航空宇宙産業界のリーダー企業を標的に、これらの企業に勤務するエンジニアを大学で講演を依頼する名目で中国に招いていました。ワシントンポストの報道によると、Xu被告は招待に応じたエンジニアから企業機密を入手し、そのデータを南京航空航天大学に流したとされています。

Xu被告の有罪が確定すれば、経済スパイの罪で禁錮15年、企業秘密窃盗で禁錮10年および罰金が科せられる可能性があります。

ある中国人ビジネスマンが米軍の請負業者数社に不正侵入しようとした罪で、米連邦裁判所から46ヶ月の懲役を宣告された事件からは2年以上が経過しています。

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