VERT脅威アラート – 2015年11月マイクロソフト月例パッチの分析

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 2015.11.11  Japanブログ編集部

本日のVERTアラートでは新規マイクロソフト セキュリティ情報12件を取り上げています。VERTは24時間SLAを満たすようこれらの情報を積極的にお知らせし、11月11日水曜日にASPL-643をリリースする予定です。

リスクテーブル : 悪用されやすいか(公表されたエクスプロイトが存在するか)、悪用された場合に取得される権限でマトリクス化

Automated Exploit
             
Easy
             
Moderate
             
Difficult
        MS15-121    
Extremely Difficult
MS15-120            
No Known Exploit
    MS15-112
MS15-113
MS15-114
MS15-115
MS15-116
MS15-118
MS15-122
MS15-123
    MS15-117
MS15-119
 
 
Exposure
Local
Availability
Local
Access
Remote
Availability
Remote
Access
Local
Privileged
Remote
Privileged

 

MS15-112 複数のInternet Explorerのメモリ破損の脆弱性 MULTIPLE
  スクリプティングエンジンのメモリ破損の脆弱性 CVE-2015-6089
  Internet Explorerの情報漏えいの脆弱性 CVE-2015-6086
  Microsoft ブラウザーのASLRバイパス CVE-2015-6088
MS15-113 複数のMicrosoft Edgeのメモリ破損の脆弱性 MULTIPLE
  Microsoft ブラウザーのASLRバイパス CVE-2015-6088
MS15-114 WindowsJournalヒープオーバーフローの脆弱性 CVE-2015-6097
MS15-115 複数のWindowsカーネルメモリーの特権昇格の脆弱性 MULTIPLE
複数のWindowsカーネルメモリーの情報漏えいの脆弱性 MULTIPLE
複数のWindowsグラフィックメモリにリモートでコードが実行される脆弱性 MULTIPLE
Windowsカーネルにセキュリティ機能のバイパスの脆弱性 CVE-2015-6113
MS15-116 複数のMicrosoft Officeのメモリ破損の脆弱性 MULTIPLE
  Microsoft Officeの特権昇格の脆弱性 CVE-2015-2503
  Mac用Microsoft Outlookのなりすましの脆弱性 CVE-2015-6123
MS15-117 Windows NDISの特権昇格の脆弱性 CVE-2015-6098
MS15-118 .NETの情報漏えいの脆弱性 CVE-2015-6096
  .NETの特権昇格の脆弱性 CVE-2015-6099
  .NET のASLRバイパス CVE-2015-6115
MS15-119 Winsockの特権昇格の脆弱性 CVE-2015-2478
MS15-120 Windows IPSecのサービス拒否の脆弱性 CVE-2015-6111
MS15-121 Schannel TLS のトリプル ハンドシェイクの脆弱性 CVE-2015-6112
MS15-122 Windows Kerberos のセキュリティ機能のバイパス CVE-2015-6095
MS15-123 サーバー入力検証の情報漏えいの脆弱性 CVE-2015-6061

 

MS15-112

ほぼ毎月のことですが、今月もInternet Explorerのパッチから始まります。興味深いのは、「Internet Explorerのメモリ破損の脆弱性」と記載されたものと「Microsoft ブラウザのメモリの破損の脆弱性」と記載されたものがあることです。このわずかな区別で脆弱性がIE (MS15-112)だけに影響するのか、それともEdge (MS15-113)にも影響を及ぼすかが簡単に分かります。

MS15-113

今月のEdgeのアップデートはわずか4つのCVEを含む比較的小規模なものです。これらは全てMS15-112に含まれ、IEとEdge両方に影響することを示すために名称に「Microsoft ブラウザ」と記載して区別されています。

MS15-114

またしてもWindows Journalの脆弱性にパッチが適用され、再び同じ警告を発行することになりました。Windows Journalをあまり利用しない場合は、Microsoftの脆弱性緩和ツールを使用しましょう。このツールには.jnt ファイルの関連付けの削除や、journalのアンインストール、実行可能ファイルへのアクセス拒否の機能が含まれます。最近のJournalのアップ デートの頻度を考えれば、このちょっとした手間でセキュリティ状態が大幅に改善される可能性があります。

MS15-115

Windowsカーネルの問題はIEのアップデートと同じくらい現時点では頻繁に発生しており、またしてもAdobe Type Manager ライブラリが原因の一つです。ブラウザのアップデートとともにこの修正が最重要項目です。

MS15-116

次はOfficeの情報です。ただし、Officeはこのセキュリティ情報で特に関心を引く部分ではありません。このセキュリティ情報には Skype for BusinessとLyncのアップデートも含まれています。この同じプラットフォームはMS15-123でも対処されています。注意したいのが、製品のバージョンが重複している場合はアップデートも重複しているのでそういう場合は同じアップデートを2回インストールする必要はないということです。

MS15-117

NDISの特権昇格の脆弱性がリストに続きます。NDISに影響する脆弱性を目にしたのはこれまでの長い間で初めてですが、それはつまり見過ごされてきただけで研究グループがいずれ近いうちにネットワークドライバインターフェース仕様に他の問題も見つける可能性があることを意味しています。

MS15-118

MS15-118では、ASP.NETのクロスサイト・スクリプティングの脆弱性と.NET FrameworkのASLRバイパスを含む.NETの3つの脆弱性が解決されています。最後の脆弱性はXMLファイルを解析する時のドキュメントタイプ の定義に存在する脆弱性を含むローカルファイルです。

MS15-119

また別の特権昇格の脆弱性がMS15-119で解決されています。これはWinsockに影響します。

MS15-120

公開済みのIPSecのサービス拒否の脆弱性です。サービスの暗号化ネゴシエーション処理の不具合により、有効な資格情報を持った攻撃者は待ち受けサービスに接続し、サーバを応答不能状態にすることが可能です。

MS15-121

MS15-121では、新たな公表済みの脆弱性が解決されています。この脆弱性は、SchannelなどのTLS実装に影響します。修正にはRFC7627の実装が必要です。追加情報は、blog post on The State of Securityで確認して下さい。

MS15-122

今月の最後から2番目のアップデートは、Kerberosの欠陥です。この欠陥は、ソフトウェアがパスワードの変更を確認する方法の不具合で、ユーザは認証を回避してBitLockerで保護されたドライブを解読出来る可能性があります。

MS15-123

今月の最後のセキュリティ情報は、Lync と Skype for Businessの脆弱性を解決するものです。これはMS15-116の一部とパッケージを共有するアップデートです。この攻撃は基本的にはメッセージン グプラットフォームでのクロスサイト・スクリプティングで、攻撃者がウェブページを閲覧したり、通話を開始したりすることが可能です。

追加情報

Adobeは、Adobe Flash Playerの複数の脆弱性を解決するためAPSB15-28を公開しました。VERTは全てのパッチを至急適用することを推奨していますが、同時に本番システムに適用する前に(可能であれば)パッチを入念に検査することを勧めています。

元の記事はこちらからご覧いただけます。

Tripwireの脆弱性スコアリングシステム

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