VERT脅威アラート – 2016年2月マイクロソフト月例パッチの分析

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 2016.02.09  Japanブログ編集部

本日のVERTアラートでは新規マイクロソフトセキュリティ情報13件を取り上げています。

VERTは24時間SLAを満たすようこれらの情報を積極的にお知らせし、2月10日水曜日にASPL-656をリリースする予定です。

 

リスクテーブル : 悪用されやすいか(公表されたエクスプロイトが存在するか)、悪用された場合に取得される権限でマトリクス化

Automated Exploit
             
Easy
       
MS16-015
   
Moderate
             
Difficult
             
Extremely Difficult
         
MS16-014
 
No Known Exploit
   
MS16-009
MS16-011
MS16-013
MS16-016
MS16-022

MS16-019
MS16-020
MS16-021
 
MS16-017
MS16-018
 
 
Exposure
Local
Availability
Local
Access
Remote
Availability
Remote
Access
Local
Privileged
Remote
Privileged

 

MS16-009 複数のInternet Explorer(IE)用セキュリティ更新プログラム KB3134220
MS16-011 複数のMicrosoft Edge用セキュリティ更新プログラム KB3134225
MS16-012 Microsoft Windows PDF ライブラリ用セキュリティ更新プログラム KB3138938
MS16-013 Windows Journal用セキュリティ更新プログラム KB3134811
MS16-014 Microsoft Windows用セキュリティ更新プログラム KB3134228
MS16-015 Microsoft Office用セキュリティ更新プログラム KB3134226
MS16-016 WebDAV用セキュリティ更新プログラム KB3136041
MS16-017 Remote Desktop Display Driver用セキュリティ更新プログラム KB3134700
MS16-018 Windows Kernel-Mode Drivers用セキュリティ更新プログラム KB3136082
MS16-019 .NET Framework用セキュリティ更新プログラム KB3137893
MS16-020 Active Directory Federation Services用セキュリティ更新プログラム KB3134222
MS16-021 NPS RADIUS Server用セキュリティ更新プログラム KB3133043
MS16-022 Adobe Flash Player用セキュリティ更新プログラム KB3135782

 

MS16-009

先月公開されなかった更新プログラムがどのようなものか疑問に思い、今月MS16-009が公開されれば分かるだろうと楽しみにしていました。しかし、マイクロソフトはこのMS16-009のセキュリティ情報で2月のInternet Explorer用累積更新プログラムを提供したので、どの更新プログラムが1月の月例公開のパッチ情報から除外されたのかを判断できなくなりました。Internet Explorerに関して言えば、今月の更新プログラムに特別な点は見当たりません。

MS16-011

次は、最近では恒例となった新しいEdgeに関するセキュリティ情報です。この情報で両ブラウザが影響を受ける脆弱性なのか、一方のブラウザのみ影響を受ける脆弱性なのかを容易に判別することができます。

MS16-012

ブラウザ以外に関する今月ひとつ目のセキュリティ情報は、比較的新しいマイクロソフトOSに最近追加されたMicrosoft PDF ライブラリに関する2つの脆弱性を解決します。つまり、影響を受けるのはWindows 8.1、Server 2012またはServer 2012 R2とWindows 10のみです。

MS16-013

次は、Windows Journalに関する脆弱性がひとつあります。以前の警告でも触れましたが、Windows Journalが実際に必要なユーザは少ないので、使用していないのであれば、現在あるWindows Journalとのファイルの関連付けは全て削除した方が良いでしょう (例えば、.jnt)。

MS16-014

次のセキュリティ情報は、サポートされているWindowsの全バージョンが影響を受けるWindows全般の複数の脆弱性に関してです。特権の昇格の問題とDLL関連の問題がいくつかありますが、セキュリティ情報の最後に興味深い項目が挙げられています。Kerberosはユーザがサインインした時のパスワード変更を検知できないので、攻撃者が認証をバイパスしてBitLockerを利用するドライブを解読できる可能性があります。

CVE-2016-0040は一般公開

MS16-015

今月のMicrosoft Office用の更新プログラムはMicrosoft WordとExcelの複数のメモリ破損に対処し、これにはSharePoint Serverにインストールされているサービスも含まれます。SharePointのクロスサイトスクリプティングの問題も解決します。

CVE-2016-0039は一般公開

MS16-016

次はWebDAVクライアントが影響を受ける特権の昇格に関する脆弱性です。Windowsのサポートされている全バージョンが影響を受けるが、サーバはDesktop Experienceのソフトウェアがインストールされている場合のみ影響を受けます。

MS16-017

MS16-017はRemote Desktop Protocol (RDP) が影響を受けるひとつの脆弱性について説明しており、これによりログインしたユーザの特権が昇格される可能性があります。

MS16-018

今月のKernel-Mode Drivers用の更新プログラムは、ここ数ヶ月のものに比べてかなり小さいものです。今月はwin32k.sysの脆弱性がひとつ挙げられたのみでした。

MS16-019

今月の.NET Framework用の更新プログラムで挙げられている.NETのバージョンは、直近数ヶ月に比べ減っています。このことから、.NET Frameworkの一部のバージョンはもうサポートされていないことをご注意ください。具体的には4.0、4.5、4.5.1です。このセキュリティ情報にこれらのバージョンが含まれていないのは影響を受けないからではなく、単にパッチの対象ではないということになります。これらのバージョンのどれかをインストールしている場合は、できる限り早急にアンインストールしてサポートされているバージョンにアップグレードすることをお勧めします。

MS16-020

次はMicrosoft Active Directory Federation Services (ADFS) のサービス拒否の脆弱性です。MS ADFSは複数のプラットフォームに渡るフェデレーションサービスを提供するために使用されており、シングルサインオンが一般的です。この特定のサービス拒否は、フォームベース認証時の入力に関連するものです。

MS16-021

今月の最後から2つ目の更新プログラムは、Network Policy Server (NPS) のRADIUSサーバへの認証要求に関するサービス拒否に対処するものです。状況次第で、攻撃者はNPSでのRADIUS認証を妨げることができるようになります。

MS16-022

最後のセキュリティ情報は喜ばしい変化です。マイクロソフトがInternet ExplorerとEdgeに組み込まれているFlash Playerのバージョンに関連する脆弱性についてセキュリティ情報を公開するのは初めてです。これは、2012年9月からほぼ毎月更新されてきたセキュリティアドバイザリ (2755801) に取って代わるものです。このセキュリティアドバイザリはバージョン53止まりで、毎月公開される新しいセキュリティ情報が以前のものに取って代わるようです。

追加情報

AdobeはAPSB16-04をリリースし、Flash Playerの複数の脆弱性に対処しました(上記MS16-022と同じ)。

VERTではいつものように、これらのパッチのすべてをなるべく早急に適用されるようお勧めしますが、それらのパッチを適用される前に入念に調査する(可能であれば)こともお勧めいたします。

 

元の記事はこちらからご覧いただけます。

改ざん検知まるわかりガイド

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