米国エネルギー省(DOE)は、石油・ガス産業を含むエネルギー部門のサイバー攻撃からの保護と対策整備をサポートするため、新たなサイバーセキュリティ部局を設立すると発表しました。
サイバーセキュリティ・エネルギーセキュリティ・緊急レスポンス局 (CESER)という名称のこの新組織に対し、2019会計年度には9600万ドル(約105億円)近い予算が計上されます。
エネルギー省のプレスリリースによると、CESERはエネルギー長官直属の組織で次官捕の指揮下におかれ、同省が担う広義の「国家安全保障責任」の中でも、特にエネルギーインフラ部門のセキュリティに関しサポートします。
リック ペリー・エネルギー省長官は「私達のエネルギーインフラをサイバー脅威、物理的攻撃、自然災害から守るためにDOEは極めて重要な役割を担っています。長官として、これ以上の優先事項はありません。」と述べた。
「この新しい組織は、今日の米国民のために確実にエネルギーを確保し、明日にでも出現する新たな脅威に対処するのに最も適しています。」とペリー氏は加えました。
DOEは、CESERの設立によって、同省はエネルギーインフラ保護により重点を置くことになり、また自然災害、人的災害に対してより協調的対策・対応が可能になったと述べています。
公益事業を狙ったサイバー攻撃は、とりわけ2015年のウクライナの電力会社への攻撃以降、看過できない問題になってきました。
二十の国々で公益事業の重役100人に取材をしてきたアクセンチュア社が出した2017年の報告によれば、回答者の57パーセントが、サイバー攻撃による電力供給の遮断を目の当たりにしており、同問題こそが最も深刻な事態と捉えていました。
世界からの回答者の約63パーセントが、今後5年間で自分の国の電気系統がサイバー攻撃に曝されるリスクがある程度あると思う、と答えました。
一方、北米においては、公益事業会社の重役のさらに多く(76%)が、サイバー攻撃の差し迫った危機が存在すると考えています。